超高齢時代をゆく日本は、社会保障費の増大や生産年齢人口の減少など、様々な課題に直面している。医療・保健分野では国を挙げて、個人・患者本位で最適な健康管理・診療・ケアを提供するためのICT(情報通信技術)基盤構築が目指されている。
健康寿命の延伸や医療製品・サービスの強化に向けて、総務省ではICT利活用の促進をうたい医療・介護・健康分野の情報化推進に取り組んでいる。他方この文脈において、急性疾患や慢性疾患の急性増悪などで緊急・重症な状態にある患者に高度で専門的な医療を提供する急性期医療と、病気やケガの治療後、回復期におけるリハビリテーションを重視――。
機能の回復や日常生活での必要な動作の改善を図るため、患者一人ひとりに合わせたプログラムを用意し、医師、看護師、看護補助者、理学療法士、作業療法士などあらゆる分野の医療スタッフが共同でリハビリテーションサービスを提供しているという。巨樹の会および東京巨樹の会は、ビーグル、NTT Com、ウルシステムズとともに、プライベートクラウド上で臨床データをセキュアに分析する体制を構築した。
患者本位で各位に最適な治療計画の立案や新たなカウンセリングなど、リハビリ・プログラムのさらなる品質向上をめざす実証実験を行う。今回、ビーグルの臨床データ電子化システム「beagle medica」を運用して、効率的なデータ収集・活用、病院内の電子カルテとの連携も推進する。過去3年間の臨床データは匿名化機能とデータ分析機能を備えたNTT Comの「Enterprise Cloud」に安全保管される。
閉域ネットワークにより物理的に分散させた基盤にGoogle Cloud™の「GKE On-Prem」と分散データベースを活用した、AI予測等にも用いられる分析システムは、臨床データの分析計画立案および分析実務業務全般を実施するウルシステムズにより、構築されるという。