商品の潜在的なファンを可視化できるツール

シルバーエッグ・テクノロジー(以下、シルバーエッグ)は、人工知能(AI)技術を用いた新しい見込み顧客可視化ツール「プロスペクター」の販売を開始した。新製品のプロモーションや売上鈍化が見られる在庫品の訴求、商品の潜在的なファンの可視化といった分析用途に活用できる。

プロスペクターは、購買履歴などの行動データを取り込み、独自のAIが特定商品に対して好感を持ちそうなユーザーを分析。商品とのマッチ度の高い見込み顧客(プロスペクト)のランキングを生成し、従来の「年齢」「性別」といったセグメント分析とは異なる、ユーザー個人の嗜好に基づくターゲティングの実施を支援する。

プロスペクターはSaaS形式で提供され、システム構築の手間なくすぐに利用可能。メール配信機能と開封・クリック数レポート機能を備えており、ユーザーの分析からプロモーションの実行、評価までを一貫して提供するという。

商品を知ってもらうためのアウトバウンド広告は、SNSが定着して消費者主体の時代となったといわれる現在も欠かせないマーケティングツールだ。しかし、不特定多数に送信する広告はコストがかさむだけでなく、「好みに合わない商品広告」を押し付けられる顧客にとっては、逆にブランドへの不信感や離反を生み出す原因となっていた。

そこで同社は、レコメンドエンジンで精度を実証した独自の行動分析AI技術を発展的に活用し、アウトバウンド広告のエリアでの高精度パーソナライゼーションを図った。販売者はプッシュしたい商品を、任意の手法で見込み顧客だけに届けることが可能となり、消費者の「広告離れ」を低減できるという。

シルバーエッグによると、プロスペクターはファッションやコンテンツ産業に加えて、多くの業界で見られるユーザーの嗜好の細分化に対応。新製品のプロモーションや売上鈍化の見られる在庫品の訴求、商品の潜在的なファンの可視化といった分析用途にも効果を発揮できると説明する。

同社では、今後もAI技術をベースにしたデジタルマーケティングサービスの提供を通じて、多様なマーケティング施策の効果向上を支援するとともに、あらゆるチャネルとデバイス上での、パーソナライゼーションによる付加価値向上を支援する考え。