超高速生産ラインで見える化を実現する、ソフトウェア開発キット完成

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の展開スピードが速い。ものづくりの現場ではすでに自動化(FA)が行われていて、既存マシンやラインとIoTの融合による革新、いっそうの生産効率や品質の向上が課題である。

産業界に加えて、社会インフラや医療・ヘルスケアなど広範な分野でのデジタル化を支援するNEDOでは、「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」を立ち上げ、2030年の高度IoT社会の実現を目指し、革新的かつ分野横断的な基盤技術開発を進めている。そしてきょう同機構は、このプロジェクトの成果をもとに、高速移動体の高速画像処理システムをFAや検査工程に組み込み容易に応用するための新プラットフォーム「High Speed Vision Software Development Kit」をエクスビジョン社が開発し、同社は来年1月下旬に製品提供を始めることを発表した。

プラットフォームは、1秒間に1000枚の撮像および画像処理が可能なSony製高速ビジョンセンサを用いていて、この性能を最大限に引き出すしくみだ。人間の眼では追うことが難しい高速移動体に対し、取り込んだ画像から対象の色や重心位置などを判別し、これらに対応した動作を即座に行う「リアルタイム制御」を実現。従来の予測に基づいた制御を不要とする。ほかに汎用性、「さまざまなシステムに容易に活用できるプラットフォームの開発」に応用可能といった特長を備えている。

メインターゲットのFAや検査分野に限らず、映像メディア、ヒューマンインタフェース、バイオ・医療、セキュリティ、自動車・交通、高速3D入力、高速ロボット等の分野にも応用展開が可能であり、今後、横断的な基盤技術となることを目指すという。エクスビジョンの製品は今月18日、ホテルグランドパレスで開催の「第5回WINDSフォーラム・セミナー」にて紹介される。