AIにてデータフローの異変を検知しリスクを推定

近年、エンタープライズIT(情報技術)システムは、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の導入やテクノロジー全般の高度化により、非常に複雑化している。ために障害発生時には原因究明に長時間を要するなど、システム運用管理の負担が増大している。

重要システムの障害は、その規模により企業経営だけでなく社会的な損害にまで拡大することがある。管理責任は重大であり、世上に多発しているサイバー攻撃への対策が求められていて、早期にそれらリスクを把握する必要性も高まっているという。

日立製作所は、システムの潜在リスクをリアルタイムに検知しそのリスク要因の自動推定までを実施する「システム稼働リスク可視化ソリューション」 をきょうから提供する。これをIoTプラットフォーム「Lumada」を活用したソリューションの一つとして幅広く展開し、システム安定稼働の面で企業経営を支援していくとした。

人工知能(AI)の中核技術を用いて、通常時のネットワークデータの流れを機械学習し、稼働システムのデータフローとリアルタイムに比較分析。これにより、プロフェッショナルでも発見が困難だったシステムのスローダウンや機器のサイレント障害(IP網上で発生するエラー未満の故障)など、潜在的なリスクを検知可能にした。同社が長年培ってきた保守ノウハウも活用し、膨大なネットワークデータや周辺機器等の情報を自動分析、検知したリスクの要因を推定し可視化する。

さまざまな業種、分野において、多種多様なシステムでやりとりされる膨大なデータの流れを監視し、AI技術により、普段と異なる状態をシステムの潜在リスクとして検知し対処することで、システム運用管理者の迅速かつ適切な対応を支援し、システムの安定稼働を実現するという。ソリューションは11月に開催の「Hitachi Social Innovation Forum 2017 TOKYO」にて紹介される。