クアラルンプールの市内と国際空港の中間に位置する都市。そこはマレーシアの初代首相の名が冠された、新たな連邦政府の中心地であり、マレーシアで最も美しいところとして観光客にも人気である。
「プトラジャヤ」は、グリーンシティを掲げている。マレーシアおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)地域に向けた電気自動車(EV)のPR場所として最適であり、同市の都市交通システムの効率向上によるスマート化を目指して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、同市と基本協定書(MOU)を一昨年7月に締結。昨年同協定を改定して、超急速充電システムや蓄電池の長寿命性能など、大型EVバスシステムの実証事業を実施している。
プトラジャヤ市において今般、NEDOと、東芝インフラシステムズ、ピューズ、ハセテック、オリエンタルコンサルタンツグローバルの4社は、10分間の超急速充電で30km運行を実現する大型EVバスシステムの実証を開始。これに先立ちきょう開かれた式典には、マレーシア国連邦直轄領省次官、プトラジャヤ市長をはじめ多数の重役および関係者が参加した。
長寿命で超急速充電が可能な二次電池を搭載した大型EVバスを走行させ、クラウドの仕組みを用いて、同市交通システムのスマート化を図り、都市交通パッケージ事業の広域展開を目指すという。
予算総額は約36億円で、2020年2月まで、プトラジャヤ市内の主要な営業路線において、1階建ておよび2階建て大型EVバス(長さ約12m)を運行。同市内のバスターミナルに超急速充電システムを設置し、搭載電池の品質、充電状態およびバス運行状況のモニタリングシステムを構築する。
日本の技術を活用し現地企業とも連携しながら、同市の新たな都市交通システムをショーケース化することで、マレーシアがASEAN地域のEVハブとなることに貢献するという。