プライバシーと自由度を両立する新しいクラウド「Cubbit」
デジタルデータを保管し、共有するためのテクノロジーは常に進化を続けてきたが、今最も重宝されているのはクラウドコンピューティングの技術だろう。インターネットに接続されていればいつでもどこでも同じストレージにデータを保存し、デスクトップやラップトップ、スマートフォンを問わずアカウントを共有するだけでデータの出し入れが可能になるのだ。
しかしながら現在普及しているクラウドサービスにも少なからずデメリットは存在し、従来のUSBメモリによるデータ共有が好まれるケースも少なくない。これまでにない便利なサービスの登場は、新しいトラブルを招いてしまう可能性もはらんでいるものだ。
そして今回新しく登場したクラウドサービスの「Cubbit」は、そんな従来のクラウドサービスが抱えていた問題を解決すべく誕生したプロダクトとなっており、ユーザーには高い利便性と信頼性を体験してもらうことができる。
従来のクラウドサービスが抱える課題
現在のクラウドサービスが抱えている課題としては、1つにライセンス料金の継続的な支払いが発生する点にあるだろう。金額はサービスをどれほど利用するかによって変わるが、いずれにせよビジネスレベルでの使用であれば、サービスを利用している間は毎月支払いが発生することがほとんどだ。
また、クラウドサービスの利用はあくまでもライセンスを契約してプロバイダーのサービスを利用する権利を取得するだけであるため、クラウドストレージに収められているデータのプライバシーがどれくらい確保されているのかは不明瞭な点も多い。USBメモリやHDDに保存するのとは異なり、インターネットでデータを共有することになる以上、その使い分けに苦慮することもあるのがクラウドサービスの難しいところでもあるのだ。
こういった問題を解決するために誕生したのが、分散型クラウドのCubbitである。Cubbitの基本的な性能はDropboxやiCloudといったポピュラーなクラウドストレージサービスと変わらないものの、これらと決定的に異なるのはデータベースセンターを持たないという点だ。
次世代のクラウドサービスのスタンダードになるか
分散型アーキテクチャを応用した技術をCubbitは採用することで、ユーザー同士のネットワーク形成を支援する。既存の仮想通貨にも用いられていたブロックチェーン技術と同様、データを共有したいユーザー同士が繋がることで初めてシェアが行えるという仕組みだ。
Cubbitの形成するネットワークのノードはPCではなく、オリジナルのCubbit cellと呼ばれるハードウェアである。クラウドでもなく、ハードディスクでもない新しい形のストレージである。
Cubbitはこのような分散型システムの採用によって、様々なメリットを確保することに成功した。まずクラウドサービスでありながら、Cubbitは買い切り型の販売形態を実現している点だ。ライセンスではなくハードを購入することにより、Cubbitは月額費用なしで利用が可能だ。
拡張性にも優れており、USBストレージを差し込むだけで最大で4TBまでのデータを無料でアップロードすることができる。
暗号化も万全の体制で行われ、ゼロ知識証明を採用することで、第三者の目に共有データの情報が漏れ出てしまう心配はない。これまでのデータベースに依存するタイプのクラウドサービスであれば、データベースのセキュリティの脆弱性次第では大きな漏洩事故が起きてしまうリスクも抱えていたが、Cubbitにはそのリスクも存在しない。
あるいはデータセンターを持たないことで、センターの維持費用が発生せず、環境負荷を意識する必要もない。データセンターは巨大なハードディスクを一括管理しているために、設備の冷却やサーバー本体の活動のために莫大な電気を必要としていた。
しかしCubbitであれば分散型を採用しているために巨大な電力消費が1つのエリアに集中することはない。環境に優しいという点でも、Cubbitは次世代のクラウドサービスのあり方を提示していると言えるだろう。
1つのCubbit Cellで最大4つのアカウントで、クラウドサービスを運用することができる。アップロード速度も素早く、頻繁にクラウドサービスを利用する人にこそ導入してほしいプロダクトとなっている。
Cubbitは現在Kickstarterで出資者を募っており、3万円弱の出資でスターターキットを一台購入することができる。
発送は世界各国に対応しているため日本からの注文も可能だ。