熱帯低気圧の予兆、AI用いた新手法にて高い精度で検出する

熱帯低気圧の予兆、AI用いた新手法にて高い精度で検出する
近ごろの気象は荒々しい。日本ではかつて経験したことのないスーパー台風の到来さえ危惧されている。アジアにおける台風やアメリカ大陸のハリケーンなど、それら熱帯低気圧の発生は、雲の発達具合を衛星から監視したり、観測データを用いた気象モデルのシミュレーションによって予測されている。
大気現象は非線形性が強く、遠い将来を予測しようとすればするほど、気象モデルを使った予測結果はばらつきが大きくなる。不確実性の高い気象分野において、昨今産業や医療等に革新をもたらしつつあるAI(人工知能)、ビッグデータに潜む特定事象の検出に長けたディープラーニング(深層学習)の応用が期待されているという。 JAMSTEC地球情報基盤センターの研究員らは、九州大学大学院ISEEの主幹教授らと共同で、ディープラーニングを活用し、全球雲システム解像モデルNICAMによる気候実験データから熱帯低気圧の予兆雲(タマゴ)を高精度検出する手法を開発した。同手法は特に夏の北西太平洋において、発生1週間前...

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