ICTでレモン栽培、国産品の安定供給へ

ICTでレモン栽培、国産品の安定供給へ
梶井基次郎がそれをモチーフに短編小説を書いた。さだまさし、岩崎宏美、近年では遊助も、それを歌った。「檸檬」はしかし、西洋果実のイメージが強く、基次郎の「私」が丸善の本棚に置いたのも輸入品の「レモン」であったろう。
いま、町の果物店で国産レモンに出会うと何だか嬉しい。憂鬱は吹き飛び、唾液がじわっと湧いてくる。唐揚げの上空で絞る、スライスしてグラスに投入する、皮をマーマレードにし果肉をジャムにする手もある、国産レモンはそのままがぶりとかじりつきたい。食の「安全安心」を背景に、一時低迷していた国産品の人気が高まっているものの、寒さに弱いことなどから常に出会えるとは限らない。それを書店で爆発させるなんて悪魔の仕業だ。 「レモン」と一口に言ってもその種類は複数あり、日本では米国カリフォルニア州と同様、比較的寒さに強いリスボンとユーレカ種が栽培されているらしい。レモンの原産地はインドのアッサム地方で、その後地中海...

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