世界に先駆け、高精度・高速3D気象観測はじまる

世界に先駆け、高精度・高速3D気象観測はじまる
にわかに黒くなった、空に稲妻が走る。と、慌てて洗濯物を取り込むだけならまだいい。川のようになった道路で車が立ち往生することだって珍しくない今日この頃、スマホアプリで雨雲の動きを追うことが習慣になってしまった人も多いだろう。
ゲリラ豪雨や竜巻といった局所的かつ突発的な大気現象の詳細構造、あるいは前兆現象を直接観測するのに最も有効な手段は、「気象レーダ」である――。昨今、都市域においては、降雨をより細かく観測できる小型の「XバンドMPレーダ」が整備されている。それはパラボラアンテナを機械的に回転させて、地上付近の降雨分布観測を1~5分間、降水の3次元立体観測を5分以上かけて行う。 しかし局地的大雨をもたらす積乱雲は10分程度で急発達し、竜巻は数分で発生し移動する。そのため、それらの兆候を迅速に察知するフェーズドアレイ気象レーダ技術が編み出され、その装置は、30秒で雨雲の3次元立体構造を観測でき、ゲリラ豪雨の早期検知...

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