表情とジェスチャーに応えるAIを開発

表情とジェスチャーに応えるAIを開発
人間同士のコミュニケーション基盤である言語。それについて吉本隆明氏は「言語にとって美とはなにか」でその発生機構を洞察し、指示表出と自己表出という二軸を定義した。
たとえば太古に猿を見た人が、ア、アと指さしてそれを仲間に知らせているうちに成立したのが指示表出のことばである。 一方、夕映えを見たり、花を見たりして心を動かされたときに出た声がやがて自己表出のことばになったという。吉本氏の理論によれば、自己表出性が高いものは感動詞であり、助詞、助動詞、副詞、形容詞、動詞、代名詞、名詞の順で、指示表出性に傾いてゆく。 日本人は助詞を多用するまれな民族――助詞こそ日本人を日本人たらしめていると筆者は思っている――であるため、自己主張が苦手というのは間違った概念かも知れない。 能書きはさておき、人工知能(AI)がある著名作家の作品を機械学習して書いたという文章...

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