抗がん剤による心筋萎縮メカニズムが明らかに

抗がん剤による心筋萎縮メカニズムが明らかに
がんは本邦で最も死亡率の高い病気であり、2人に1人が罹患するといわれている。抗がん剤治療(化学療法)は、手術および放射線治療と並ぶ「がん治療の3本柱」の1つとして高い医療実績を誇っている。
一方で、それを続けることにより、副作用の起こりうることが問題視されている。 化学療法を継続することで、筋力低下による疲労感、倦怠感や廃用(寝たきり)症候群、心筋症といった容体が現れる可能性は知られている。しかし、抗がん剤が筋力低下を起こす原因についてはよくわかっていなかったという。 生理学研究所の西田基宏教授(九州大学教授兼務)は、九州大学、群馬大学、東京大学、京都大学との共同研究において、心筋細胞膜に存在し、抗がん剤投与により発現増加するCa2+透過型カチオン(TRPC3)チャネルが、活性酸素を発生することで心筋細胞を萎縮することを発見。同チャネルを阻害する化合物が、抗がん剤誘発性の心不...

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